かつての外食産業は花形の成長業種であり、21世紀における日本の基幹産業になるとして、大いに期待されていました。そのなかで、売上高が3000億円を超えるすかいらーくやマクドナルドといった大手企業が生まれ、市場拡大を牽引してきました。
そして、1997年にはその市場規模が29兆1千億円に達しましたが、長引く日本経済の低迷とコンビニエンスストアなどによる激しい競合によって縮小傾向へと転換し、ここ10年ほどは約24兆円の市場規模を維持しているという状況が続いています。
日本は既に超高齢化社会と人口減少社会に突入しており、外食産業にとっては安易な成長期待はもはや抱けない社会環境となっています。さらに、労働環境に対する批判や世界的な原材料コストの高騰など、日々の経営を取り巻く状況も逆風ばかりです。
21世紀に入ってからの15年間は、こうした変化への対応を試行錯誤し続けた15年であったといえるでしょう。しかし、これまで行われてきた試行錯誤は、局所的な生産性能向上には役立ちましたが、外食産業全体を成長業種として再評価させるほどの成果はあげていません。むしろ、昨今の深刻な人手不足問題などは、こうした取り組みの持つ負の側面が現れたものといえます。
このように堂々巡りを続ける日本の外食産業が、再び成長産業としての輝きを取り戻すためには、これまでの試行錯誤に象徴されるような、成功体験の延長線上にある取り組みだけでは不可能です。我が社の持つ強みを丁寧に見つめながら、ビジネスの原理原則を踏み外すこと無く、外食企業として全く新しい発想でモデルを組み立てて、圧倒的なお客様の支持を得る料理とサービスを提供していかなければなりません。
21世紀の外食産業を担い、社会的にも高い評価が得られるような業種へと成長させる力を持った企業を育てていきたい。日本フードビジネスセンターはそうした思いを実現するための戦略的なツールをご提供してまいります。日本フードビジネスセンターをどうぞよろしくお願いいたします。
日本フードビジネスセンター株式会社
代表取締役 井上 剛